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| d駄文 |
1
「ねえねえ、今日の亜季ちゃん、機嫌よくなかった?」
翔子の席は、淳司の隣りの隣り。わりと近くだ。
「……どうして?」
一体何を根拠に、と淳司は首を傾げる。
不覚にも怪訝な表情を象ったのが淳司にも自覚出来た。
「だって、今日の亜季ちゃん、随分口数が多かったよ」
「……ふ〜ん」
「……ふ〜んって、あまり興味がなさそうだね」
「あいつの機嫌の良し悪しをどうして俺が気にかけなきゃいけないんだよ?」
淳司は頬杖を突きながら、
「いつもあんな感じだと思うがなぁ」
全く無関心なように答える。
すると、翔子の頬がむくれはじめた。
「……何怒ってんだよ?」
「……男の人って本っ当に鈍感だなと思って」
(……まさか、こいつ……!)
血相を変えて淳司は一つの可能性を口に出す。
「一応、聞いておくが、お前、亜季が、俺に、惚れてるとでも、思ってんのか?」
一言一言慎重に言葉を選びながら問い質す。
すると見る間に翔子の顔が朱色に染まっていく。
淳司は大仰に、この世の憂いをこれでもか、とでも言いたそうな位圧縮した一つの溜息を吐き出した。
「あいつが俺に惚れてるのなら、どうしてあいつは事ある毎に俺に絡むんだよ?」
うん?と確認してみる。
「それは、亜季ちゃんなりの愛情表現というか……」
翔子は指をいじりながら、淳司にはとんでもないとしか思えない事を口走った。
(あいつに愛情だなんてあるか?!否!奴に断じてそんなものは存在しない!あるのは液体窒素を上回るであろう冷血のみ!断言出来る!!)
いつのまにか、淳司は拳を無自覚のうちに握り締めている。
「……なに、その顔……」
翔子は呆れたように淳司の表情をポカーンと見ている。
(そんなに俺の顔は素っ頓狂なものになっていたか?)
淳司は歪んでいた顔を引き締め、
「芝田」
声色も真剣なトーンにする。
「な、なに」
淳司の真剣な声に反応して、翔子も一瞬気後れしたあと、表情を引き締める。
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